書籍・雑誌

『老子伝』と『長耳』

09/11/07(土)

ここのところ、わたし的にはめずらしく、毛色の変わった本を読みました。
まず、『詳説 老子伝―「道」を知るために』。
なぜこんな本が私の本箱にあったのか、全く覚えがありません。
多分、誰かが私が易を学んでいるので、読むんじゃないかとくれたんでしょう。

MICHAEL CONNELLY 『THE BRASS VERDICT』を読んだあと、
(この感想はamazonの書評に書いちゃいました)
読む小説を切らしてしまって、仕方なく(?)読み始めたら、これが結構面白い。

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フランシーヌ・マシューズ

09/08/12(火)

今週は本部道場が夏季休暇でお休みのせいで、読書週間となりました。
そして、久々に好みの作品に出会いました。
フランシーヌ・マシューズの『ナンタケットの霧』と『ムード・インディゴの沈んだ日』
前者が1作目、後者は3作目だそうで、どちらもナンタケット島を舞台に、
この島で唯一の女性警官(署長の娘)メレディス・フォルジャーを
主人公としたシリーズ物。

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阿川佐和子『タタタタ旅の素』

09/07/20(月)

四川(九寨溝・黄龍)旅行とバリ旅行のトピックスがあとさきになってしまいました。
法事で秋田に行ったときに空港で買った阿川佐和子さんの『タタタタ旅の素』を
読んで、ああ、私も書かなくちゃと思いつつ・・・

この本は、意外と面白かった(可笑しかった)と前に書きましたが、
解説が三谷幸喜で、この本の題名がどうしてこうなったのか、のいきさつに
深夜にもかかわらず、爆笑してしまい、私の落ち込んだとき(最近は、落ち込むと
いうことはなく、元気が出ない程度ですが)の笑えるグッズ(可笑しな留守伝とか、
画像とかを保存)ナンバーに登録されました。(って、世界遺産みたいだなあ)

私は普通の旅行ガイドが読めなくて、物語りになっていないとダメで、
というのは、楽しくないし、頭に入らないってことですが、
だから、旅行ガイドは目的地に行く飛行機の中とか、現地に到着してから読みます。
試験勉強があまり早くやっても頭に入らない(忘れてしまう?)のと同じです。

今回のバリ旅行も、機内で人のガイドブック(自分のは2年前のだし、
重いので、置いていきました)をざっと読んで、
成田で買った『絵を見て話せるタビトモ会話 バリ島』
という本を、シンガラジャへ行く車の中で読みました。
この本は絵と写真がいっぱいで、日本語と英語とバリ語が載っているので、
英語の勉強にもなり、バリ島の歴史や生活、バリ人のことなども読み物として
載っているので、なかなか面白く読めました。
今度9月にサルサでキューバに行く予定(まだ確定ではない)なので、
ぜひ、キューバ編も捜そうと思っています。

さて、阿川さんの本は、旅行ガイドとしてはほとんど役に立ちませんが、
慌しい旅(ほとんど仕事がらみなので)にもかかわらず、旅っていいよね、
という気分にさせてくれますし、旅の仕方や考え方についても、
読んでいると、ああ、私も早く書かなくちゃと触発してくれます。

触発されたにもかかわらず、後回しになってしまいましたが、
似てるところは、お土産についての考え方。
でもこれはまた後回し、次回に書きます。

その前に、ホテルのアメニティについて。

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『響きあう脳と身体』

09/07/04(土)

バリから帰ってメールを開いたら、図書館から予約資料が用意できました、
というメールが届いていました。
えっ? 何も予約してないけどなあ、詳細を見ると、
甲野善紀と茂木健一郎の対談本、『響きあう脳と身体』でした。
もう数ヶ月前に予約した本で、確かそのとき16番目とかだった。
すっかり忘れていました。

しかも、引き取り期限が6月21日(日)になっています。
夜メールを開いたので期限切れです。
しかし、翌日は月曜で図書館は休みだから、職員が本を所蔵の図書館に返すのは
多分火曜の朝だろう、もしかしたら、火曜の一番に行けば間に合うかもしれない。

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カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』

09/07/01

ちょっとないテーマです、SFにはあるかもしれないけれど。
ネタバレになるかもしれない、なっても大差ないのですが、
知らないほうがより楽しめると思うので内容は書きません。

カズオ・イシグロという作家、「日のなごり」を映画で見て、
これは小説も読んでみたいと思いつつ、そのうちに数年前、
雑誌『ENGLISH JOURNAL』のインタビュー記事を読み、
絶対いつか読むぞーと思ってはいたものの、今まで機会がなく、
今回、バリへ行くのに持っていく本を出発前日近所の本屋へ探しに行き、
お目当てのものがなくて、変わりに目についたこの本を購入。

しかし、機中ではほとんど読み進まず、1週間のバリ滞在中も夜はバタン・キュー、
プールサイドで寝そべって読む予定も決行されず、帰りの機中で少し読んだだけで、
結局お持ち帰りとなったのでした。
そして、旅の疲れを癒すべく、寝ては読書の数日、役に立ってくれました。

いやー、変わった小説でした。
今度は他の作品は原文で読みたくなりました。
ただ、この日本語のタイトルはもう少しなんとかならなかったものかと思いました。
原書のタイトル「Never Let Me Go」そのまんまだもんねえ。

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ビッグ・ノーウェアー

09/04/18(土)

今頃エルロイにハマッている。
『ビッグ・ノーウェアー』上巻は、登場人物が多すぎて、その関係もなかなか頭に入らず、
2週間の貸し出し機関を延長してしまったが、下巻は一気に読んだ。

ふつうなら、こんな暴力的、狂気的で、卑猥な性的表現バンバンな男の世界は
読むに耐えないのだが、エルロイの手にかかると、それほどの不快な感じもなく、
妙な軽妙さといったものに救われて、私も悪徳警官になれるかもしれない、
なんて気持ちにまでさせられてしまう。

解説で、法月綸太郎という人が、エルロイに完全にノックアウトされたのは、
(ブラック・ダリアに)引き続き読んだ本書の方である、と書いているが、私も全く同感。

この作品で、エルロイのプロット作法が質的な変化を遂げたとも。
全くそれは、見事というしかない。

時代が戦後すぐで、赤狩りのテーマも絡んでいて、共産党員やメキシコ人、
黒人に対するホントの悪徳警官の偏執的な迫害の描写など、
アメリカってこの頃から病んでいたのね、とつくづく思う。

中心となる3人の警官のうちのひとりを、エーッ、ここで殺しちゃうワケ?
と思わず叫んでしまいたくなるような非情振り、ホントに殺してほしい悪徳警官は
生き残るし・・・、でもそれが現実なのかも。

バズ・ミークスはどうなっちゃうんだろう、ホントの悪徳警官は次の作品では
ちゃんと殺されるんだろうか、それを確認しなくちゃ。

で、家にあったDVD『LAコンフィデンシャル』を観る。

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ネバダ・バー『極上の死』

09/03/13(金)

『極上の死』、極上でした。
いままでの中で一番好きかも。
地の部分も楽しめるし、表現力がアップした感じ。

アンナ・ピジョン(前作ではアンナ・ピージョンとなっている)は、
水深60メートルの湖底にダイビングしたりする、湖底で格闘とかなるのかな、
それは怖いな、と思ったけれど、それはなくて、安心。
ただ、夜に2度目にひとりで潜ったときは、犯人に沈没船に閉じ込められそうになり、
方向感覚がなくなり、無事脱出できるのか・・・ここは怖い。
脱出できなければ、このシリーズは終わってしまうから、
どこかで安心しながらドキドキできるのが、シリーズ物のよさだ。

サスペンスという要素だけでなく、主人公の職業がパークレンジャーだから、

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ネヴァダ・バー

09/03/03(火)

L.Aコンフィデンシャルの作家、ジェイムズ・エルロイの作品、
『ブラック・ダリア』が近くのBOOK・OFFで105円で売っていたので、
買ってきて読んだあと、「暗黒のL.A4部作」といわれるものを全部読もうと
したが、その後、BOOK・OFFでは見つからないので、つなぎに、
何かないかなあ、と夫の本棚から、タイトルで面白そうはものを物色、
スティーヴン・サイクス『最後の目撃者』というのを読んだ。

広島・長崎に落す原爆の実験の話だった。
非社会派の私には異色の作品、感想は・・・

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バーバラ・ヴァイン『哀しきギャロウグラス』

08/12/22(月)

夕べ11時過ぎに布団に入ったのに、そして、今朝はS師範の朝稽古に出る
つもりで、目覚ましを6時にかけたのに、この本のお蔭で朝稽古は断念。

だって、途中で止められなくて、結局朝6時まで読んでしまったのです。
昨日は、昼寝(夕寝?)してしまったので、体力が余っていたせいもあるのですが。

この作品はなかなか面白いです。
というか、可笑しい。
夜中に、アハハと何度か笑ってしまったくらい。

ミステリなのに喜劇か、これは?
うまく書けないから、解説から引用してしまおう。

充分に濃厚であると同時に軽快でもあり、ここには無邪気さとユーモア、
犯罪と恋愛、欲望と狂気、悲劇と喜劇などの要素が互いに干渉し交錯し
合いながら同居している。

ところが面白さの理由のようだ。
精神病院から追い出された鬱病の少し頭が足りないかと思われる少年
(といっても20歳は過ぎているのだが)を語り手にしているのがいい。
ストーカー(その少年のことではありません)の心理もよく描けている。

最後の最後、「だったらもう少し伏線張ってよ」と言いたいところはあるのですがね。
もしかしたら、私の読みが足りないだけだったのかも知れないですが。

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バーバラ・ヴァイン『階段の家』

08/12/14(日)

前に読んだ2作品に比べ、あまり面白くありませんでした。
まず、内容とは関係ないけど、こういう言い方はしないだろうという、
訳文の表現の不適切さや、てにおはの間違いなどが気にかかってしまう。

サスペンス部分も、簡単に推理できてしまう、それが最後にいって覆される
可能性を楽しみに最後まで読んだが、そのままだった。

あと、語り手の主人公の気持ちや行動に共感できない、というより、理解できない。

というわけで、★3つくらいの評価だ。

今次の作品『運命の倒置法』というのをちびちび読んでいて、
もう少しで読み終わるところだが、こっちのほうがまだいい。

それでも、前読んだ2作品には届かない、★3つ半くらいか。
登場人物の1人の女性が、コミューン志向で、ラジニーシの話が出てきたり、
この女性が『易』を読んでいたりする描写があって、
ということは、ヴァインも易を知ってるのね、なんて部分で楽しんでいる。

当時(70年代)の世相をいくらか知っている者なら、そこそこ楽しめるだろう。

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『貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法』考

08/12/11(木)

本の内容についての感想です。

野宿の方法など、住む家がある私には必要ないけれど、
いろいろな工夫は家の中でも、エコの観点から参考になることはありそう。
私は寒いのは苦手なので、野宿だけはしたくないと思うが、
いざとなったら、野宿もできると思っていられたら、そんなに不安を感じなくてすむ。

この本の真髄は、生活の仕方や工夫ではなく、生きる思想にある。
要は、大きい者(国や企業や資本主義)にまかれず、
自分の生きたいように自由に楽しんで生きようという姿勢だ。
会社に頼った生き方は、いまの世情が示しているように、
いつ放り出されて住む家がなくなってもおかしくない可能性を常にはらんでいる。

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『貧乏人の逆襲』

08/12/10

9月ごろだったが、スポーツセンターの更衣室で、
M先生と大学生のYさんが、この本のことを話題にしていた。
可笑しいとか面白いとか、盛り上がっていた。
話の内容から、「昔(10年ほど前か)、だめ連というのがあったけどねえ」と、
ひとこと言ったけど、私も読んでみようかと図書館に予約した。
結構読まれているらしく、予約待ちの人数がすごかった。

その『貧乏人の逆襲』がやっと先週末、最寄の図書館に入ったと連絡がきた。
日曜の夜、1時ごろ読み終わったのだが、あとがきのほうを読んでいたとき、
「ん?」と目が止まってしまった。

もしかして、この松本哉(はじめ)って、あの人の息子じゃないでしょうね?
父親は30過ぎて小説書くとか言い出し、母は離婚して日本各地を転々としたあと、
自分はアナーキストだといって、今は長野の山奥で自給自足の生活をしている、と。
私が知っている人によく似ている。
ここ数年付き合いはないが、息子も確かひとりいたと聞いていたし、
年代からいってもおかしくない。
そう思うと、写真の顔の感じもどことなく、彼女の面影があるような。
姓も同じだし、そんな組み合わせが日本にいくつもあるとは思えない。

気になって、起き出して、易をとってみた。
息子である  地水師六四
違 う      艮為山六五
方 針     乾為天九二


師六四と艮為山六五は、艮為山六五のほうが強いような気がしたが、
方針の乾為天九二からは、間違いなく息子である感じが強い。
明日、確認してみよう。

翌日、以前の同僚にメールした。

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バーバラ・ヴァイン『死との抱擁』

08/11/22(土)

この作品も『煙突掃除の少年』同様、なかなか中味が濃かったです。
見方によっては、結末に至るまでもったいぶった書き方で伏線が散りばめられて
いるので、気の短い人はイライラさせられるかもしれません。
私は年齢とともに気が長くなってきたのか、それを楽しみながら読めましたが。

登場人物それぞれの性格と行動の描写に味わいがありました。
中でも脇役ですが、語り手フェイスの母親の性格や言動に共感するものがあって、
他の人物は好きになれないけれど、この母親が出てくると痛快感がありました。
ヴァインは、彼女によってフェミニズム的感性を
さりげなく表現したかったのではないかなと推察します。

妹を殺して絞首刑になる(これは最初から書かれているのでネタバレではあり
ません)主人公のヴェラにしても、嫌な性格だけれど、その母性については、
一概に否定しがたいものが、むしろ同情を禁じえないものがあり、
ヴァイン(レンデル)のフェミニスト振りが発揮されているように思いました。

その他、当時のイギリス社会の生活や意識、階級性の根強さが、
これは他の作品でも言えることですが、説得力を持って書かれています。
イギリスでも1940年代では、女は結婚することによってしか、
安定した生活を得られなかった現実、結婚以外の恋愛関係がいかに
タブーであったか、イギリスでもこうだったんだあと。
生活様式の変遷も日本と変わりない。

本筋とは関係ないところに、差し込まれるヴァインの痛烈なアイロニー、
たとえば、

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バーバラ・ヴァイン『煙突掃除の少年』

08/11/12(水)

面白すぎ! 
ルース・レンデルのバーバラ・ヴァイン名義の作品は家に1冊しかなかった。
『死との抱擁』を読み始めたが、これも前に読んだが、細部は全く記憶にない。

他にどんな作品があるのか、区の図書館で検索したら、
出てきたのが、この『煙突掃除の少年』1冊のみ。
とりあえず借りてみた。

意外と厚い本なので、返却日に返せるか心配だったので、
『死との抱擁』を中断して、こちらを先に読むことにした。

最初は家族の名前が『死との抱擁』と同じだったりするので、
どちらを読んでいるのか、混乱する。

読みながら、バーバラ・バインは、ひょっとしてミステリーではなく、
普通の小説を書きたいのではと、その細部の描写も、
アン・タイラーを彷彿とさせるものがあり、これも混乱した。
何しろ、寝ながら読むので、もともと意識が明瞭ではない。

これは、実によくできたプロットで、このプロットを考えるだけでも
1年くらいかかるのではないかと思われた。
数学的才能というか、構成能力が高い。
頭がいいとしか表現できない。

ふつう、ミステリーの伏線て、2つ3つ、あるいは3つ4つ程度だと
思うのだが、ここでは、いたるところに伏線がちりばめられていて、
それらが、まさにジグソーパズルのように徐々にはめ込まれていって、
最後にはきちっとおさまる。

訳者(富永和子)のあとがきでも、
・・・そしてさまざまな伏線が隠された導入部が終わるころから、この謎にすっかり
引きこまれ、夢中で読み進むことになる。あらゆるヒント、あらゆる手がかりが
注意深くまかれ、最後にそのひとつひとつが意外な場所に収まって、やがてひとつ
の絵が完成し、ため息がでるほど見事なエンディングになる・・・。

と書かれている。

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レンデル『無慈悲な鴉』

08/10/28(火)

ウェクスフォード・シリーズにしては(失礼!)面白かったです。
あまりテンションは高くなく、だから、毎晩チビチビ読めて、
それでいて、最後のどんでん返しも効いていて、
この作品は、やはり以前読んでいたのですが、
始めて読むのと変わりなかったです。

随所にフェミニスト的視点がちりばめられているのが憎いです。
ただ、近親姦(訳も「近親相姦」となっています。古いから仕方ないか?)
の扱いに関しては、レンデルがフェミニストだと知らないフェミニストは、
怒るかもしれないな、とは思いましたが・・・。

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アン・タイラー『歳月の梯子』

08/10/10(金)

多分、この本がアン・タイラーの中では一番の傑作だろうと、
想像して、楽しみをとってあったが、先週の後半とうとう図書館から借りてきた。

しかし・・・、どうも期待していたほど面白いとは思えない。
どうしてかなあ。
今までのヒロインと違い、ヒロインの感性には同感するところは多いのだが。
多分タイプとしては自分と近い感じがする。

これまで読んだ作品のヒロインは、どこか普通ではなく、
ぶっ飛んでいるところがあり、自分とは違うが、そこが面白かった。

なんでそれほど面白いと思えないのだろう、と最後の訳者あとがきを読んで、
そうか、と納得した。

「空の巣症候群」という言葉がある。子供たちが大きくなり、
取り残されたようなわびしさやあせりからくる中年の主婦の
不安定な精神状態をいうのだが、この小説の主人公ディーリアも
そんな女の一人。その心の空洞を埋めるのに、彼女が乗り出した冒険は・・・。
                                 (―訳者あとがきより)


ディーリアは、子供たちが幼なかったときはあんなに自分を頼りにしてたのに、
可愛かったのに、思春期以降は自分を蔑ろにしてと、昔を懐かしむのだが・・・

空の巣症候群ねえ。私にはそれが全くないからだ!
夫や子どものためだけに生きてきたということもなし、なさ過ぎ(?)

この生活(人生)の他に別の人生があったのではないか、なんて考えること
もないし、ディーリアのように、やり直ししたいなんて思ったこともない。
(子育てに関してはちょっと思わなくもないが、ディーリアとは別の意味で、
もっと可愛がってあげればよかったと、ほんのちょっとですけどね)

だから『夢見た旅』もそれほど面白いとは感じなかったわけだ。

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『虚栄は死なず』

08/09/30(火)

ネタバレありありですので、読んでみようと思っている方は、読まないでください。
昨日読み終わった『虚栄は死なず』なんですが、この本は、最初は、初めての
ような気がし、中盤になって読んだような、という気がし、最後のどんでん返しに
至って、読んだワ、とやっと確信する始末。

10歳だか9歳だか(今だったらどうってことないと思いますが)
年下の男と結婚した名士&金持ちの37歳の女性が、
引越しした友人を訪ねてみたら、その住所に居ない。その住所すら存在しない。
確かにその住所で、手紙は2、3通来ているのだが・・・

実は引越してなくて、引越す前に殺されたのでないかと思えるような事実も
次々と出てきて、その友人が自分の夫や弟、叔父さんまで誘惑していたこと
を知り、弟や叔父が殺したのでないかと考えるヒロイン。

新婚ホヤホヤで、夫を信じ切っているヒロインは、自分の夫は疑わない。
夫の言動もどこか怪しく思えるように書かれているので、
早く気づきなさいよ、とイライラさせながら、読者を引っ張っていく筆力は
さすがレンデルとは思うが・・・

調べていくうちに、自分も毒をもられたように体調が悪くなったり、
やっと後半になって夫が犯人ではないかと気づくところまでくるのだが、
実はそれも違ったという、ヒロインにとっては幸せなどんでん返しが待っている。

サスペンスで幸せな結末というのはいかがなものか、
ちょっと拍子抜けである。
この作品はノン・シリーズの2作目というから、
まだレンデルらしさが発揮されていないのかもしれない。

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熱病の木

08/09/22(月)

レンデルの短編で、小気味良かったというのは、『熱病の木』でした。
短編集のタイトルも「熱病の木」(角川文庫)です。

『運命のチェスボード』は、謎解きがメインの作品で、
といっても決して薄っぺらではないけれど、
やはり、ちょっと物足りないかな、という感じでした。
それに、この作品も途中まで読んだら、なんか、
読んだかもという感じがしてきました。
でも、どう展開するのか、まったく忘れていたので、結局最後まで読みました。
で、やっぱり読んだな、これ、っと。

かなり、重症かも。

土曜日に昼の合気道から帰ってきたら、連れ合いがリビングを占領していて、
昔録った「世界遺産」をVHSからDVDにダビングする作業をしていて、
テレビの音もうるさいので、私は自室に避難し、ず~っとレンデルを読んでは
眠くなったら寝てという引きこもり生活を翌日曜日の夕方まで続けていました。

最初は食事も面倒だから、1日断食するかな、と思いましたが、
やはりお腹が空くので、果物やチョコレートを食べたりして凌いでいましたが、
それだけではもちろん空腹感は補えず、結局途中でオムレツを作ったり、
でも、それもベッドの上で本を読みながら食べ、外国映画で朝、ベッドの中で
朝食をとったりする気分を味わいました。

夕べから『地獄の湖』を読み始めましたが、
なんだかこれも読んだみたいです。
でも、細部は忘れているので、そのまま読んでいます。
この作品もお薦めですよ。

ウェクスフォードシリーズはミステリ、他の作品はサスペンスですね。
サスペンスは何度も読めても、ミステリは一度読んだら、読めないですが、
読めちゃうってのは、レンデルが凄いのか、私の頭がミステリなのか?

もしかしたら、押入れに眠っている本は全部読んだのかもしれないと
思えてきました。
『熱病の木』が押入れに入っていたということは、その可能性が高い。
読んだから押入れ行きになったと考えるほうが自然だ。
この謎を解くには全部読むしかないんですけど、次はまたアン・タイラーに
取り掛かろうかと考えています。

レンデルも細部の描写が上手いので、読んでいると、
どうしてもアン・タイラーを思い出してしまうのです。

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女ともだち

08/09/19(金)

ルース・レンデルの作品の話です、ネタバレありです。

ここのところ、易の学徒としては真面目に睡眠薬は陳舜臣の『中国五千年』(上)
だったのですが、読んでる最中は面白いのですが、名前その他頭に残らないので、
何回も読めばそのうち、自然に入るだろうと、2回目を読み始め、
3分の1くらい読み進んだところで、少し飽きてきました。

最初に読んだときは、へーえ、と驚くことばかりで、中国史にはまる人の気持ちも
わからないではないな、と思ったのですが、2度目ともなると、驚きは半減するのは
当たり前、刺激が欲しくなってきました。

刺激といえば、ミステリーでしょ。
私にとって、マルグリット・デュラスとルース・レンデルは
元気なときでないと読む気になれない作家ですが、
今は心もからだも元気なので、
押入れに20冊くらい眠っているレンデルの中から1冊取り出してきました。
人からもらったもので、読む本が枯渇したときのためのストック本。

長編だと思って読み始めたのが「女ともだち」、短編集でした。
―夫をはじめ、男に対しては嫌悪と恐怖しかおぼえない女。
彼女がはじめて知ったひそかな悦び、そして唐突に襲う思いもかけぬ破局―
と表紙の裏に書いてあったので、面白そう、と。

女ともだちって、ふつうの女ともだちを予想していたら、違いました。
最初から予想を裏切られ、その着想に脱帽。

これが1985年に出版されたということは20年前なのに、
今読んでも古く感じない。
ただ、結末は、ちょっと無理がないかあ、と思いました。

そのあとの作品を読み進んでいくと、
ん? これ読んだな、というものが何篇か。
つまり、読んだことを忘れていたということであります。
こっちのほうがよほどミステリーである。
読んだ作品と読んでない作品を分けていたつもりなのに、
もらった時に、ランダムに拾い読みしたらしいです。

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もしかして聖人

08/05/10(土)

私が読んだアン・タイラー作品6冊目。
今まで読んだものと少し毛色が違い、
アン・タイラーにしてはめずらしく事件が起こるストーリーだが、
そのわりには、なかなかテンションが上がらない。
『ここがホームシックレストラン』がよかったせいかもしれない。

後半は、少し持ち直したが、結果的にどのグループに入るかというと、
『パッチワークプラネット』『ここがホームシックレストラン』
『アクシデンタル・ツーリスト』が★★★★だとすると、
この『もしかして聖人』は★★★☆。
同ランクの『ブリージングレッスン』の後くらいか。
ちなみに、『夢見た旅』が★★★かな、私の好みとしては。

★5つの席は『歳月の梯子』が入るかもしれないので、空けてある。

しかし、この作品、いろいろ考えさせられるところが多かった。
他の作品も20年、30年と長いスパンに渉るが、
この作品を読んでいると、「人生なんて、10年、20年はアッという間だよな」
と、特に感じさせられる。

子育てはそのときは大変だけど、過ぎてみればアッという間。
よく同じマンションに住む一世代違う検事さんの奥さんが、
私がちょこまかしている子どもたちを連れているのを見て、
「今は大変だと思うでしょうけど、アッという間ですよ。
今が一番いいときですよ」と会う度に言ってくれたものだ。
この方も、『ここがホームシックレストラン』の母親のように
夫の転勤で苦労されたのかもしれない。

「今が一番いいとき」なんて、そのときは思えなかったが、
その通りだった。
過ぎてみれば、あの頃は可愛かったなあ、
なんであの可愛さを十分楽しめなかったんだろう、と思う。
2人目、3人目となるにつれ、少しは余裕が出てきたが、
他のお母さんたちに比べれば、私は落第だ。

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ここがホームシックレストラン

08/05/01(木)

先月の後半、昔の知り合いから、初めて書いた小説を私に読んでもらいたい、
と約10年振りに電話がかかってきた。
彼女は、翻訳者で、その頃、アメリカの推理小説の訳本をいただいたことがある。
なかなか面白く、訳者としても才能ある人だなと思った。

そのとき寄せた私のコメントを今でも取ってあって、
誰かに読んでもらいたいと考えたとき、私を思い出してくれたらしい。

初めての小説とやらが送られてきて、数日して、読み始めたが、
一晩でイッキに読んでしまった。
内容は地味だが、表現に衒いがなく、自然で、表現力、構成力など、
なかなか上手い書き手だと感じた。

その前は、半分義理で、どうしようもない小説、合気道ネタのSFだという、
『神技』とかいう本をガマンして読んでいた。
1ページに、1個か2個は必ずといっていいくらい、テニオハの間違いがあり、
間違いはテニオハだけでは勿論ないのだが、これだけ、間違いのある本は
今まで読んだことがない。
一体どこの出版社だ?と見てみたら、聞いたことない出版社だった。

内容も、いくらSFとはいえ、合気道の精神に反するでしょ、というような、
暴力的な話で、3分の1くらいで、よほど止めようかと思ったが、
合気道の先輩に借りた本だったので、ガマンして読んでいたら、
途中からメンタルな指導をするまともな人間が出てきたので、
そのまま最後まで読んだ。

しかし、この小説、今amazonのサイトを見てみたら、
☆4つ半、読者の書評も好評、もっとも2人しかいなから、
何とも言えないが、どうやって☆の数って決まるのかな。

脱線、脱線。

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赤毛のアン

08/04/27(日)

2週間くらい前だったか、昼間テレビをつけていたら、
NHKのスタジオパークとかいう番組に松坂慶子がゲストで出てきて、
篤姫の話をしていたので、つい見てしまったら、
後半、「赤毛のアン」の話になった。
英語番組で、彼女と娘たちがアンの舞台、プリンスエドワード島を訪れるという。

そこで、その英語番組をビデオに録画した。
以前は、英語番組が週4回はあって、それを全部毎週上書きで録画していたが、
最近は英語が減ったし、再放送(2年前のを使い回しとか)も多いので、
録画することもないなと、どうせ、見切れないし。

プリンスエドワード島って、私でも知っているくらい、
「赤毛のアンの舞台」ということで、インプットされていて、
どうも、日本人の女性が多く行く観光スポットらしい。

その英語番組、ー『赤毛のアン』への旅ー の冒頭で、
松本侑子さん(訳者らしい)と松坂慶子が、
「女の子なら誰でも読んだ『赤毛のアン』」と言っていて、
ふーん、そういう言葉もよく聞くけど、と思った。

過去に『赤毛のアン』のことを夢中になって話す人に何人か出会ったが、
かといって、じゃあ、読んでみようかという気には一度もならなかった。
娘にも読んでやろうと思ったことはないし、
娘自身が読んでいたということもないと思うが、
これは本人に訊いてみないとわからない。

というわけで、幸か不幸か私は一度も手にとったことがないので、
英語の教材ということなら、見てみてもいいかな、と思ったのだ。

ところが、1回目で早くも挫折した。

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アン・タイラー

07/10/08(月 祝日)

この歳になって突然体育会系になってしまったこともあり、ここ数年、本は、寝ると

きに睡眠薬代わりにサスペンス小説しか読まなくなっていた。サスペンスは、睡眠

薬としては不適切な面もあるのだけれど、何しろからだが気持ちよく疲れている状

態で読むので、私の場合ちゃんと睡眠薬代わりになってくれている。

しかし、ただの、犯人は誰?、動機は?式のものはつまらない。登場人物が魅力

的でないと。しかも犯罪者にもそれなりに共感できちゃうような人間性、社会性(背

景)が描けてないと、となかなか注文がうるさい。

で、お気に入りは、マイクル・コナリーとサラ・パレツキーなのだけれど、新作がペ

ーパーバックになるまで待たないといけないので(寝ながら読むからハードカバー

では疲れるし、値段も高い)、この2人の作品は、品切れしてしまった。

原書で読み始めた最初は、マイクル・コナリー。出ている訳本を全部読んでしまっ

たら、次が待ちきれなくなり、仕方なく、原書で読み出した。最初は、「え、殺された

のは誰だっけ?」と前に戻って確かめたりと、頼りない読み方だったが、だんだん

馴れてきて、警察用語などにも強くなったくらい。

読んでる最中は、もうボッシュに恋してる状態。ボッシュも好きだけど、エレノアも好

き。映画化したら、誰をキャスティングするかなんて考えるのも楽しみのひとつ。で

も、一方で、映画化はして欲しくないという思いもある。私が作り上げているイメー

ジが壊れて欲しくないから。

ま、そんなこんなで、ペーパーバックで出ている本は全部読んでしまい、最初に戻っ

て、訳本で読んだものまで、もう一度原書で読んでしまうと、読む本がなくなり、今度

は、これも訳本ではすでに読んでしまっていたが、パレツキーのヴィクシリーズに移

行。

パレツキーは、犯罪が企業犯罪なので、日本語で読んでもよくからくりが理解でき

ない状態だから、原文で読んでもまた新鮮に読める。パレツキーはコナリーよりむ

つかしい。知らない単語がバンバン出てくる。でも、その辺は、多分こういうことだろ

うと想像で飛ばす。ヴィクと隣人のおじいさんとのやり取りや、女友達(女医)とのや

り取りなどが楽しめる。事件そのものよりこっちのほうが魅力的。

で、この2人の作家の作品が底をついて、さて、困ったどうしようかなと。枕元に読

んでない本を入れてある紙袋が。2年前、事務所を辞めるとき持ってきたものだ。

私の好みを知って、カウンセリング講座の受講生や事務所のスタッフが「読む?」

と持ってきてくれたもの。読んでからamazonかBook offで売ろうと思い、そのまま

になっていた。

それを漁ってみた。最初に手にしたのは、デイヴィッド・マーティンの『誰かが泣いて

いる』。なんか、荒唐無稽、カンベンしてよ、と思いながらも、読まされてしまった。次

に同じ作家の『嘘、そして沈黙』。これは全く睡眠薬の効果なく、寝なくちゃ寝なくち

ゃと思いながら読まされてしまい、最後はとうとうフラダンスを休んでまで読んでし

まった。まだ、完璧体育会系にはなり切れてないらしい。

で、次に漁って出てきた本がアン・タイラーの『アクシデンタル・ツーリスト』。ミステリ

だと思って読み始めた。なんか事件起こりそうにないなあ、やめようかなと思ったが、

やめられなくなった。日常のディテールを事細かに書き連ねて、でもその筆力たる

やすごい! 読ませられてしまう。

結婚して20年になる夫婦が、1年前に12歳の息子を亡くしている。キャンプに出し

たら、犯罪に巻き込まれて後頭部を打たれて即死という状況で。それ以来、夫婦

の間にすれ違いの溝ができ・・・、とにかく夫婦の会話がズレまくり、あまりのズレさ

加減に笑ってしまう。こういう男ってうんざりだよな、私も一緒に暮らすのはイやだな

と思わせるような性格なんだけど、妻から「もうあなたとはやっていけない」と言わ

れて別居するところから物語は始まる。

しかし、まてよ、こういうのって、程度の差はあるけど、たいていの男は持っているよ

な、感情を押し殺して、変な理屈(本人は合理的だと思っている)で武装して。女の

ほうはそういうつもりで言ったんじゃないのに、というような応答を返してくる男。そう

気づくとますます面白くなってきた。

途中で、アン・タイラーって誰だ?と調べてみたら、普通の小説家。しかも、かなり著

名らしい。私が知らなかっただけ。何で、ミステリだと思ってしまったんだろう。実は、

書名も見ず読み始めて、一体何て題名と、表紙をめくってみたくらいなんだけど、き

っと、アクシデンタルという言葉をちらっとは見ていて、それでミステリだと思い込ん

でしまったらしい。

とにかく、久々に面白い作品に出会った。読んでしまったら売るつもりだったけれど、

売るのは惜しくなった。amazonで調べてみたら、この作品に限って値段が高い。絶

版になっているとかで、ますます取っておきたくなった。

読み終わって、では、他の作品も図書館で借りてこなくちゃなと、またしばらく読む

本の候補が出来たのは嬉しい。『パッチワーク・プラネット』と『夢見た旅』を読もう

と思って、念のためまた、紙袋を漁ってみたら、この2作品もちゃんとあるではない

か。ありがたい。パッチワークもなかなか。『夢見た旅』のほうは、出た当初に読ん

だら、もっと共感度が高かったかもしれないが、他の2作と比べるとイマイチだった。

『パッチワーク・プラネット』は、今読んでもなかなか示唆に富んでいて、味わい深い。

高校生の頃、ちょっとした犯罪を犯して捕まってしまい、更生施設系学校のような

所に入れられた経歴を持つ、離婚暦があって娘も一人いる(妻と娘とは別居)、今

は30歳になろうという出自はいい青年バーナビーが主人公。老人や障害者にサー

ビスを提供する会社で働いている。作品の冒頭、ひょんなことで知り合った年上の

女性との関係がどうなっていくのかという興味もあるけれど、バーナビーが仕事上

で関わる老人たちの現実や言葉が作品に重きを与えている。

私が特に気に入ったのは、老人たちが(人間が)いかに物を溜め込むか、死んでし

まったらただのゴミなのに、残された物に迷惑するのは子どもなのに、もしかしたら、

子どもが使うかもしれないとか、欲しがるかもしれないと、物を捨てられない老人た

ちの描写。

そうなんだよなあ。私も物を増やさないで、どんどんいらないものを捨てなくちゃなあ

と、あらためて肝に銘じたのでした。と、言いながらこの本はとって置きたいと思うこ

の矛盾(笑)。

さて、『アクシデンタル・ツーリスト』は映画化もされているというので、しかも、相手役

の女優が私の好きな女優のひとり、『テルマ&ルイース』のジーナ・デイヴィスだとい

う。ピッタリの配役だ。小説が完璧に再現されてるという期待はしないが、ぜひ観て

みたい。

アン・タイラーの小説は確かに何も事件は起こらない。しかし、登場人物の内面では

ちゃんと起こっているのである。人間は変わるのだということ、成長するのだというこ

と。そして、それは他者との関わりを通して変わり得るのだということが、気負いなく

淡々と描かれているところが感動ものなのである。

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